【連載 Vol.10】龍郷町に移住しました|ミロコマチコさん(大阪府出身、画家・絵本作家)

集落や町の魅力についてインタビューしました。
(右から)ミロコマチコさんとインタビュアー森まゆみ

プロフィール

移住者

ミロコマチコさん/芦徳集落在住

大阪府生まれ。多数の絵本を出版、メディアにも取り上げられるなど全国で人気を博している。現在は、龍郷町を拠点に、全国的に活躍している。

インタビュアー

森まゆみ/円集落在住

福岡県出身。趣味はスノーボード・ミシン・DIYなど。

主に空き家バンク、移住者支援業務担当。

何度も島に通いました

移住のきっかけは?

ミロコ

奄美大島の動植物の絵を描いてほしいとの依頼を頂き、夫婦で初めて来島しました。移住するならここ!と気に入り、20回くらい通って家を探しました。

家を建ててから引っ越されたのですか?

ミロコ

建つまでに住む家は集落の方の協力で探したりしました。棟上げから参加し、作れるところは自分たちで作りました。今も庭作りなどを楽しんでいます。

移住前に何度も島に通われたことで、集落の方とも繋がりが出来ていたのですね!ミロコさんの作品も、お家も本当に素敵です。

島内で子ども向けのワークショップをしていると聞きましたが、都会と奄美の子の違いはありますか?

ミロコ

子どもたちはひとりずつ違うので、都会と奄美の子の違いは感じません。のんびりした子もいれば、ハキハキした子もいる。ただ、島の子どもたちは大人を信頼していますよね。都会では知らない人にあいさつしませんが、島の子どもたちは大きな声であいさつしてくれるので、こちらがびっくりしてしまいました。

自然を読み取る力

東京の暮らしと島での暮らしの違いは?

ミロコ

都会での暮らしは、電車がきっちり時間通りに来ることや食事は手軽にどこでも買えるなど、便利さゆえに人間が主役と勘違いしてしまい、立ち止まることも出来ないと感じます。でも島では船が止まって郵便物がストップすることもしばしば。でもそうやって自然に合わせて動くと、本来のスピードが分かります。そうしたら、自然の中にお邪魔させてもらっている感覚や自然を読み取る力がついて、体が健やかになる気がします。

移住後、仕事の量は減りましたか?

ミロコ

仕事量は減っていないのですが、打ち合わせをオンラインで済ませることで余裕ができ、料理を楽しんだり、自分の時間を持ったりできるようになりました。今までの東京での繋がりの仕事に加え、奄美での新しい仕事も増えました。

今後、移住を考えている方にも参考になりますね。

移住して壁にぶつかった事はありますか?

ミロコ

周囲の方から、野菜などを頂くことが多すぎて、自分は何をお返し出来るのか?と自問自答し、落ち込んだことがありました。でも島でのワークショップや近所の子どもたちと接するうちに、私が絵を描く姿を見せる事がみなさんへの恩返しになるのでは?と感じるようになりました。あんな職業もあるんだ、あんな大人もいるんだ、なんだか楽しそうだなと子どもたちに感じてもらう事で、周囲の方たちの思いやり精神の循環に入れたのではないかなと感じます。

絵本から感じられる温かみや面白み…今回初めてお会いして、イメージ通りの素敵な方で、すばらしい時間を過ごさせていただきました。今後ともご活躍を楽しみにしております。