樋口幸雄さん
妻・暁子さん
移住年:2014年
職業:ゲストハウス運営
この島はみんなで支え合う、
古き良き日本の文化が残っています。
可能性は無限大!
70代で始めたゲストハウス
2014年に奄美大島龍郷町に移住した樋口幸雄さん(77歳)と暁子さん(73歳)は、第2の人生を満喫中。70代と言えば悠々自適に過ごす引退世代が多い中、精力的に毎日働いている。7部屋11人定員の少々大きな建物で、大勢のゲストを迎え、ゲストの半数がリピーターになる人気民宿「結の家(ゆいのいえ)」を切り盛りしている。
埼玉では二人ともゲストハウス運営などとは無縁の仕事をしていた。結の家の建物は暁子さんのお兄さんが所有している。
管理人がいなくなり放置に近い状態になって、お兄さんから「ゲストハウスの管理をしてみないか?」の一言が奄美大島との出会いのきっかけだった。4人の子供も独立、仕事も引退していたので、「一度、行ってみるか。」とインターネットで見かけた移住体験ツアーに参加したのが初来島。ツアー中にお友達も出来て、「暖かい島で管理人になるのもいいかも」「年金で生活できるから、ゲストハウスがうまくいかなくても、おにぎりやカレーを海岸で売ればいいよね」と移住を決定。お兄さんの申し出から引っ越すまで3か月のスピード移住組である。
民宿が人々と繋がり幸せを運んでくる
素人民宿経営が始まったが、何をやったらいいのかさっぱり分からない。暗中模索の日々、泊まっているお客様がどんどん助けてくれるようになった。「若い子を泊めたいなら、Wi-fiがないとダメだよ。」「僕らがいる間に物干しを作っちゃおう。おとうさんたちだけじゃ大変でしょ?」と年を追うごとに快適な宿になっている。また、大勢のお客様が泊まっているのを見かけると、ご近所さんが野菜とかを玄関にたくさん置いていくこともあるそうだ。
幸雄さんと暁子さんのアットホームなもてなしは、次々とリピート客を生み出している。若いお客様には田舎の祖父母役、移住したい人たちにとっては人生相談役と、様々な人が多岐多用な話をしていく。「いろいろな人たちと話せることは本当に楽しい。」
お客様との会話だけでなく、地元民との集いも楽しみの一つ。移住後、すぐに老人会にデビュー。歓迎会でカラオケを歌い、次がれた焼酎を全部飲み干した暁子さんはすぐに地元の有名人になった。樋口夫妻が移住する前は地元の人々がゲストハウスに近寄ることもなかったが、夫妻の存在を知った人たちが宿を訪れるようになった。「老人会では私たちは若者扱いなの。」近所の人生の先輩たちが出来ることは全部自分でこなしていく姿を見て大変感銘を受けたと言う。「ここには私たちの小さかった頃の日本がある。人生、最後まで働ける場所があるのは本当に幸せ。」
チャレンジすることが若さの秘訣
広い庭の手入れ、広い建物の掃除、お客様の送迎と、忙しい日々を過ごしている中で、2017年7月に奄美市名瀬に『ギャラリー結』をオープンした。画家になった息子さんから作品を披露する場が少ないことはもともと聞いていたので、たまたま永田橋市場の中に場所を見つけた時に「地元のアーティストにも使ってもらえるギャラリーにしよう」と即決。休む暇もない今の方が移住した時よりも若返って見える夫婦は、立ち止まることなく次々と楽しみを見つけている。
移住を考えている人へ
ワンポイントアドバイス
ゲストハウスをやりたくて、頭で考えて、なかなか前に進めない人は、踏ん切りがついていない人。最初から大きな投資をしようとしないで、自分の足と目で確かめ、出来ることからやっていくと、自然と回り始める。計算だけで決めていると、シナリオ通りにならない時に対応出来なくなるよ。資金や計画より、「勇気」と「決断」が大事。
民宿情報
旅をしながら第2の故郷に帰るような気持ちにさせてくれる人気の民宿。宿泊予約は下記から可能。
- 0997-55-4333
- 大島郡龍郷町赤尾木1747-4
- https://www.yuinoie.com
- info@yuinoie.com