【連載 Vol.8】龍郷町に移住しました|樋口さんご夫婦(埼玉県出身、民宿「結の家」経営)

移住エピソードや町の魅力についてインタビューしました。
樋口さんご夫婦とインタビュアー森(左)

プロフィール

移住者

樋口さんご夫婦/手広集落在住

移住して8年、手広集落で、アットホームな民宿「結の家」を営む。

サーファーなどのリピーターも多い。

インタビュアー

森 まゆみ/円集落在住

福岡県出身。以前は接客業をメインに働く。スノーボード歴20年。現在、地域おこし協力隊。

主に空き家バンク、移住者支援業務担当。

どうして奄美大島へ?

早速ですが移住のきっかけは何ですか?

樋口

埼玉で暮らしていましたが、定年を迎えゆっくりとした生活を送っていたところ、親戚が所有するゲストハウスの管理をしないか?という声をもらい、奄美大島へ来たのがきっかけでした。初めての来島で移住体験ツアーに参加し、1月なのに暖かいという島の気候に惹かれ、すぐに移住を決めました。

住まいも仕事もあり、スムーズな移住だったようですが、何か困ったことはありましたか?

樋口

特別困ったことはなかったのですが、移住してすぐに老人クラブに入った時、方言の難しさに少し戸惑いました。8年目の今も聞き取るのは難しいです。(笑)

私も聞き取れないことが多いです。(笑)

コロナ禍に感じた繋がり

宿が軌道に乗るまでに苦労したことはありますか?

樋口

特に苦労は感じませんでした。宿というものはこういうものだ!という考えを持たずに、色んな人の意見を取り入れ、お客さんと一緒に作り上げていった感じです。庭作りや格納庫など、みんなが好意で作ってくれました。荷物を置いていく常連さんもいるんです。(笑)

みなさん、第二の実家のように思っているのでしょうね。宿の雰囲気も温かく、帰ってきた~という感じがして落ち着きます。

コロナ禍のもと、宿を経営することで感じたことは?

樋口

経営に関して大変さは特に感じず、私たち自身は外にも出ずにゆっくりと過ごせていました。内地にいる子ども達の事は心配でした。また、たくさんのお客様から心配する連絡を頂き、繋がりを感じました。

島暮らしの魅力は?

どのようなところに魅力を感じますか?

樋口

時間がゆったりと流れている所に魅力を感じます。また、宿の名前でもある『結』の精神が根付いている所も魅力です。集会にも家族みんなで参加しますし、何かあれば助け合い、家族の絆をみんなで作っている感じがします。

龍郷町の誇り

龍郷町のイメージはありますか?

樋口

龍郷町は、町民が一つにまとまっている気がします。NHKドラマで西郷隆盛さんがクローズアップされたことで、『紬』という大事な伝統・歴史・文化に対し、町民の意識も高まり、誇りが生まれたことで同じ方向を向いて進むという力が強まったのではないかと感じます。みんなが一つのものに目を向けるということは他の地域では中々ないので素晴らしいことだと思います。

メッセージ

最後に移住者に向け、メッセージを頂けますか?

樋口

移住希望者からたくさんの相談を受けるのですが、『自分で決める』という強さを持ち、ある程度たくさんの事を経験してから移住し、肩の力を抜いて島の文化を受け入れ、流れに身を任して暮らすのも大事だと思います。あまり理想を持ちすぎず、あまり望まず、日々暮らしていくのがいいと思います。例えば子育てであったり、サーフィンであったり、何かひとつ譲れないものがあるなら、その他は状況に合わせて進んでいけば移住生活もスムーズにいく気がします。島の生活は人との繋がりが強く、それを大変に感じることもあるかもしれません。しかし助け合いの『結』の精神が島の暮らしだと理解し、受け入れ、合わせていくことも必要かもしれません。

素敵なお話をありがとうございました。今度は泊りに来たいと思います。